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【カズ中西のもりまち安全運転研究所】5 それなりに楽しむ雨の日ライディング

ツーリングの予定を立てていた当日に雨模様なら、計画を順延するのが一般的だと思います。しかし、その日にしか行けない!途中で降り出した!そんな事情もあるでしょう。対処の方法は色々とありますが、晴れの日より慎重に運転することを大前提とすれば、レインコンディションでもそれなりに楽しめるものです。

1.若さゆえの冒険心なのかも

本題へ入る前に述べておきますが、僕は晴れでも雨でも関係なく「乗る」派です。しかも、走っていると雨でも晴れてくるという運も持っていたり…。なので、ツーリング計画の当日が雨模様でも、特に意識することなく出かけます。それを前提として話を進めます。

 

雨天時の注意点は、急のつく運転操作が良くない結果をもたらすことです。急加速・急停止・急旋回、どれをとってもリスキーです。それでも出かけていけるのは、若さゆえの勢いというか、ちょっとした冒険心なのかもしれません。雨の日にしか見られない景色や、仲間との連帯感みたいな芽生えもありました。また、学業やアルバイト勤務の関係から、その日にしか行けないという事情もあったと思います。

 

近年のバイクのように、トラクションコントロールやABSなどが全く存在しなかった時代は、繊細な運転操作や経験の積み重ねが安全に上手く走らせられる根拠となっていました。その裏付けとして挙げるとすれば、50㏄のMT車からステップアップしていったことにあると思います。雨の日にアクセルを開けすぎたり、急ブレーキをかければ転ぶことを、比較的に低速で経験できました。それの良し悪しを論ずる気はないですが、雨の日にどこまでやってよいのかのさじ加減は、その時代に体得していると思います。出先で突発的に降られた時も、これまでの経験が活きます。つまり、雨の日の運転に苦手意識の強い人は、その経験が少ないからだとも言えますね。

出がけに雨の日はモチロン、途中で降られることも想定して荷物をパッキングしておきます。装具としては、レインウェアと防水ブーツくらい。グローブは、絞れば直ぐに乾くメッシュの化繊タイプを使っていました。現代のように高性能なレインウェア類がないから、濡れてもOKな装備という観点で用意していました。

雨でも走れるバイクの前提条件としては、タイヤの残溝が十分であるなど、車輛としての整備状態が良好であることが重要です。特にタイヤとブレーキは、安全マージン高めでチェックします。走行時は、周囲の状況をよく観察して、早め早めの危険察知を心掛けます。停止距離も物理的に長くなるため、スピードは控えめ。急ブレーキをかけなくて済むように、車間距離も多めに取ります。

2.事前の準備が明暗を分ける

雨の日走行を安全かつ快適にする。出がけが晴れの時は、突発的な雨に降られても対処できる準備をしておくと良いでしょう。レイン対策は、装具の充実度と経験によって差は出ますが、突き詰めていけば十人十色、人それぞれとなります。逆に言えば、これだけ準備しておけばOK!という、方程式のようなものはありません。しかし、準備しておくことで、慌てず騒がず平常心を保てるという精神的なメリットがありますから、思いつく順に準備していけばよいと思います。

 

僕の基本的な考え方としては、汚れればどーせ洗濯するのだから、衣類は濡れてもOK!電子機器等は濡らさないよう小分けに防水パッキング。財布やスマホも別々に防水パッキングしておき、出し入れしやすいことも考えて収納または携行します。ウエア類は、濡れないことよりも、素早い排水性を重視して準備します。まだ出会ったことが無いだけかもしれませんが、この世に未来永劫100%防水の物など存在しないと思っていますからね。入ったものをすぐに出す考え方は、ドライブレコーダーの開発担当時代に学んだことでもあります。

道中の雨が予想される場合、ウエア類には撥水処理をしておくのが良いと思います。降り始めから止まって着替えるまでの時間稼ぎになります。

シートバッグを使う場合は、レインカバーを忘れずに携行しておくと良いでしょう。また、いかに高性能なレインカバーでも、スピードによっては走行風で膨らんでしまい、ハンドリングに影響を与えるため、カバーの上からネットを被せたり、ストレッチコードで縛っておくと良いです。ふくらみが抑えられて、安心して走行できます。

 

※シートバッグのレインカバー装着検証は、動画でもご覧いただけます。(ブログ文末のリンクをご覧ください)

パニアケースは、究極の耐雨仕様と言えるでしょう。雨が入らないとは言えませんが、今考えうるバイク用バッグ類の中では最強の防水性を実現していると思います。

3.余裕があればこんな対処法もアリ

バイク乗りとしての経験が多い人、経済的に余裕のある人ほど、突発的な雨にも動じません。人としての余裕があるというか、割り切った考え方ができるからかもしれません。僕の友人知人では、バイクこそ点検整備バッチリの完調ですが、装具類については晴れの日と同じ。レインウェア類は持っていきません。携行するのは、ビニール袋に包んだ免許証と防水スマホ、クレジットカード数枚、僅かな硬貨のみ。雨に降られたらどうするの?「服は濡れてもいいよ。そもそも洗濯するものでしょ?泊りなら宿で乾かせばいいし、何なら出先で新しい物を買えばいいから。濡れた荷物は宅配で自宅へ送ることも可能でしょ?」とまぁ、こんな塩梅です。確かに現代の日本では、買い物に困ることは無いと思えますが、僕にはとてもマネできない(笑)グレートですよ!

突発的な雨に見舞われた場合、僕は10分程度ならそのまま走ることが多いです。また、ツーリングでは計画を変更、立ち寄りポイントを減らして明るいうちに走り切ることを優先します。このシチュエーションでは時間重視ですから、濡れるのを覚悟で先を目指します。場合によっては、計画そのものを中断することもあります。要するに、無理して走らないというか、経験則から危険だなと思える状況で走らない考え方です。

ツーリングプランの都合上、雨天でも走り続けなければならない状況だとしたら、一時しのぎのレインウェアでも可能な限り高性能なものを購入します。実際、何度か利用したのが作業着屋さん。走行風に耐え得るか否かを考えながら購入します。節約心から、安価で簡易的な物を選びたくなるところですが、それこそ一発勝負の無駄遣いになりかねない。高性能な物なら、後々別の用途でも活用できる可能性を残しますので、財布と相談しながら良いものを購入してその場をしのぐという手段は有効だと思います。

動画で見る雨対策

●シートバッグのレインカバー装着検証 については、動画でもご覧いただけます。

 

【カズ中西のもりまち安全運転研究所】それなりに楽しむ雨の日ライディング

シートバッグのレインカバー装着検証

シートバッグにレインカバーを取り付けた時の注意点などを、分かりやすくご紹介しています。

 

 

ライターProfile

カズ中西

モーターサイクルジャーナリストを始め、イベントのMCやラジオDJなどマルチに活躍!

伊伝株式会社の広報担当であるとともに伊豆スカ事故ゼロ小隊の中隊長、静岡県二輪車安全運転推進クラブ伊豆地区会長など、積極的に交通安全推進活動を行っている。

※文中に記載の品番/価格は、記事作成時のものです。

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