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さらにコンパクトになり、機能も充実したドライブレコーダー「Mio MiVue M820WD」

ボクがバイク用のドラレコを使い始めたのは、2016~2017年あたりのこと。2015年に某社から防水・防塵・耐水のGPS付ドラレコが登場し、どんなものか試してみたくて装着(フロントのみ)した記憶があります。

当時はいまのように毎朝のワイドショーで、(主にクルマの)ドラレコ画像が放送されるような状況ではなく、ようやくクルマ用のドラレコが普及を始めたころだったように思います。しかし、交通弱者(クルマに対してです)であるバイクのほうが、万が一のときの状況を録画してくれるドラレコが必要だと思い、当時担当していたバイク雑誌でもその必要性を伝え始めていたので、自分でも実際に使用してみないと、と思ったのです。

 

実際に使って感じたことは、付いている、走行状況を録画しているという安心感もさることながら、ツーリングの際のとても便利な記憶媒体だということでした。

もちろん、走行映像を記録するならアクションカメラなど適任のツールはいくらでもありますが、録画したツーリング動画を編集してYouTubeにアップするなんて気はさらさらなくて、録画した動画を見ながら「あー、ここはとってもキレイだった」とか、「気づかなかったけどこんな景色だったんだ」とツーリングを振り返るだけならドラレコで十分、というよりもドラレコの方がいいと思ったものです。

 

その後、デイトナから超小型の「旅ドラレコDDR-S100」が2万円を大幅に切る価格で登場(2017年10月中旬)。とにかく小さく軽量のため、取付場所を選ばない点が大きなメリットだったこのモデルを、早速リヤカメラとして使用し始めました。

小さくてどこにでも取付できて、それでいて高性能なデイトナのDDR-S100。カメラマンの転倒シーンもしっかり記録していた。

 

このリヤカメラにはひとつエピソードがあり、装着した日にカメラマン(バイクビギナーでした)と撮影に出かけ、帰り際にガソリンスタンドに立ち寄った際、ボクの後ろからスタンドに入ってきたカメラマンが突然、転倒しました。

 

ごく低速での転倒だったので大事はなかったのですが、スタンドの路面で滑ったためというカメラマンの主張は、ドラレコの動画を確認したところ車体が傾いた状態でフロントブレーキを握ってしまったことが原因と分かり、あっさりと覆ってしまいました。夜だったのですが、転倒の瞬間がとても鮮明に映っていたことを今でもはっきりと覚えています。

このときに、そうかリヤカメラは自分が追突されたときだけじゃなく、マスツーリングのときに自分の後ろのメンバーにアクシデントがあった時などもその原因究明にも大いに役立つのだと気づきました。

 

録画時間を長めに設定しておけば(DDR-S100は最大5分に設定可能でした)、サーキット走行会などで先導ライダーの後ろについて走るときに自分のライディングを録画してもらえばライテクチェックにも使えるのだと、ドラレコはとても広範囲な目的に使えるデジタルギアであると認識しました。

そんなバイク用ドラレコの黎明期を経て、現在は前後2カメラのモデルが一般的になり、防水・防塵・耐震・軽量・コンパクトでGPS付、夜間でも明瞭に録画でき、トンネルに出入りした時にも瞬時に適正な録画状態にするHDR機能が付き、録画した映像をスマホアプリですぐに確認・保存可能と多機能で操作も非常に簡単になっています。

 

価格もデュアルカメラモデルで4~5万円台とこなれてきていますから、装着したいと考えるライダーが非常に増えているようです。

実際、新製品の「Mio MiVue M820WD」を初お披露目した「2りんかん祭り」(今年の7月に開催)のデイトナブースを訪れたお客さんに欲しいパーツ&ギアを尋ねると、ドラレコとブルートゥースインターコムという答えが半々だったとのこと。安全意識が高いと言われるいまどきのライダーらしい回答だなぁと思いました。

 

ちなみに、ボクは20年以上インカムを使用していますが、このギアも音楽を楽しんだりコミュニケーションが図れるツールであるだけでなく、目的地まで確実に道案内をしてくれる安全装備でもあると感じています。

 

ドラレコとインカムが欲しいギアの双璧なんて、まさしくいまの時代のバイクライフを象徴していますね。

安心の「駐車監視機能」と便利な「トリップラプス録画」

さて、前後とも36.9㎜×28mmという超コンパクトな前後2カメラを備え、こちらもコンパクトなSDカードとGPSを内蔵した本体、手元に装着するインジケーター付きのコントロールスイッチで構成されるMiVue M820WDですが、ドラレコとしての標準的な機能は万全です。詳しく知りたい方は、取説をご覧になってください。

 

◆MiVue® M820WD  取扱説明書

https://www.daytona.co.jp/dl-product-18311-m

あえて書くとすると、コンパクトなので取付場所の自由度がとても大きく、マウント付きでカメラの角度をスマホアプリ「Mivue Pro」のライブ画面を見ながら工具ひとつで調整できるところがとても気に入っています。これは開発したCJ/ホアンさん(この方もライダーです)がどうしてもこだわったところで、「ライダーの使い勝手を最重要視した」設計になっているのです。

フロントカメラはミラーと共締めし(左上)、リヤカメラはリヤカメラステーを使ってナンバープレート上に装着(右上)。SDカードを内蔵する本体ユニットもコンパクトで、ETCユニットと比べるとその小ささがよく分かる(左下)。カメラはボルト1本で角度調整が可能で、スマホアプリのライブビューを見ながら撮影画像を確認できる(右下)。

 

 

手元に配置したコントロールスイッチでは、録画の設定変更やSDカードの初期化などさまざまな設定が可能。インジケーターは、録画状態のときは赤色LEDが点滅し、Wi-FiがONのときは青のLEDが点灯する。

 

それに加えて、このモデルから追加された「駐車監視機能」と「トリップラプス機能」に注目です。

 

さて、そんなものいる? と思われるかもしれない駐車監視機能ですが、ツーリングの際にバイクから離れて食事をしたり、お土産を買ったりすることがありますね。

 

そんなとき、誰かが、あるいはバックしてきたクルマなどが自分のバイクに触って、倒してしまうといった最悪の事態が起こる可能性もあります。誤ってぶつかったりしても同様です。

 

心ある方なら、アナタがバイクのところに戻ってくるまで待っていてくれるかもしれませんが、もしも倒してしまったシーンを誰も見ていなかったりした場合、そーっとその場を離れて去って行ってしまうかもしれません。

 

食事や用事を終えてバイクのところに戻ったら、バイクが無残にも横たわっていて呆然とするアナタ……。

そんなとき、この駐車監視機能が作動していて、バイクに触った人、あるいはぶつかったクルマの映像が記録されていたら。その後の犯人特定の手掛かりになる可能性も大いにありますね。

この駐車監視機能は、エンジン停止後に3つのモードで作動させることができます(各モードはスマホアプリで選択)。作動電圧の設定もできますから、バッテリー上がりを避けることもできます。旅先の宿に長時間駐車した際も安心です。

 

駐車監視機能が安全装備だとすれば、トリップラプス録画は言ってみればエンタメ機能。1秒間隔で連続撮影した写真をつなぎ合わせることで、2時間の動画を8分に圧縮してくれます。

 

この録画機能のどこが優れているかというと、常時録画しているドラレコ映像から特定の時間の映像を再生したいとき、録画ファイルをひとつひとつ再生して確認するのではなく、トリップラプス録画の映像で探しているシーンを検索。そののちに、必要な動画ファイルのみをダウンロード(従来よりも転送速度が2倍になって超快適!)することが可能です。

 

たとえば、ツーリングの途中で見かけた気になるカフェやレストラン。あるいは、驚くような美しい景色に出合ったとき、そのときにはバイクを止めて名前や場所を確認できなかったとしても、そこを通過した時間をだいたいでも覚えていれば(あるいは覚えていなくても)トリップラプス録画画像で素早く確認して、そのシーンを特定することも簡単です。

 

見たいシーンをトリップラプス画像で検索して時間を特定する。この場合、スマホアプリからタブレットやPCにファイルをエクスポートして大画面で探すと見つけやすい。

 

 

トリップラプス画像で特定した時間の録画ファイルのみをダウンロードして再生すれば、カフェやレストランなどの名前も特定できる。今回は、音もなく近づいてきた郵政EVが僕のバイクの後ろに着いたところを特定してみた。上のトリップラプス画像と下の録画画像の撮影日時を合わせれば特定するのは簡単だ。

 

また、このトリップラプス録画領域はデフォルトでSDカードに確保されていますから、面倒な設定は必要なく、エンジンスタートでドラレコ録画が始まれば同時にトリップラプス録画も始まるようになっています。

 

ソニー製STARVIS™CMOSイメージセンサー採用のFull HDの鮮明な映像に、駐車監視機能がプラスされてさらに安心感が高まったとともに、タイムラプス録画で大幅に向上したMiVue M820WDは、いまあまたあるバイク用ドラレコのなかでも秀逸な存在だと思いました。

製造メーカーは年商13兆円の巨大IT企業のグループ会社

最後に、こういうデジタル機器の場合、機能に加えて高い信頼性と、手厚いサポートの有無も気になります。

 

日本側のサポートはデイトナが万全の態勢で取組んでくれるとしても、製造メーカーの開発力や安定した補修パーツの供給などもやはり気になります。とくに海外メーカー製だと、なんとなく一抹の不安を抱くことも。

 

しかし、MiVue M820WDの製造メーカーであるMiTACデジタルテクノロジー社は昨年の年商が13兆円(!)という台湾の巨大IT企業であるMiTAC-SYNNEXグループに所属し、経営の安定度、確かな開発力なども折り紙付き。ドライブレコーダーに関しては20年以上の実績があり、デイトナとは2017年からの付き合いです。

 

バイク用ドライブレコーダー・Mioシリーズは、本国以外では日本が最大のマーケットということもあり、今回のMiVue M820WDの発表に合わせて代表取締役のスティーブ・チャンさんをはじめ、Mioブランドの責任者や販売責任者、さらに開発責任者などのスタッフが来日して、スティーブさん自らプレゼンテーションを行うほどの力の入りようでした。

オレンジのウエアを着たMiTACデジタルテクノロジー社スタッフと、デイトナスタッフの集合写真。写真中央のバイクの左後ろがMiTAC社代表のスティーブさんで、その右隣がデイトナの織田社長。

 

正直言って、ここまで日本での販売にも力を入れているところを見せられると、製品への安心感も高まるし、今後のさらなる性能や使い勝手の向上に期待してしまいます。

 

ドラレコの導入を考えている方は、MiVue M820WDをぜひ一度用品店の店頭などでご覧になってください。折り紙付きの高性能に加え、「おっ、これなら自分のバイクにも取付けられる」と思うほどのコンパクトさと取付自由度の高さで、MiVue M820WDへの興味がどんどん沸いてくるはずですよ。

 

こちらのブログに掲載した商品は・・・

◆バイク専用ドライブレコーダー「MiVue® M820WD」

デイトナ商品番号:40860

標準価格¥48,400(税込)

 

・デイトナ公式サイトで詳細を見る↓

https://www.daytona.co.jp/products/single-40860-genre

 

デイトナ MiVue特設サイトはこちら↓

https://www.daytona.co.jp/special/driverecorder_mio/

 

ライターProfile

Nom(埜邑博道)

約40年にわたり、編集者&編集長&プロデューサーとしてバイク雑誌の制作に携わり、2021年からフリーランスとして活動。バイクライフ全般に関する豊富な知識を持ち、バイクの使用環境改善をライフワークとする。

※文中に記載の品番/価格は、記事作成時のものです。