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乗り心地と吸い付き感が絶妙! アジャスタブルリアショック 【カズ中西】

ついに!満を持して?リリースされた丸Z系&ゼファーシリーズ用のアジャスタブルリアショック。総アルミ削り出しボディ+ブラックスプリングの組み合わせに心惹かれたわけですが、やはり気になるのは機能と性能。早速、カズ兄のZ2に装着してみました。

多過ぎず、少な過ぎずにカスタム感UP

2023年某日、デイトナのローダウンキットが装着されたGB350を見かけて、こんな風に思いました。このリアショック、僕のZ2にも着けられないかな? すると、「カズ兄さんにも納得いただけるよう開発しています」とのこと。計測はしていないけれど、パッと見でZ系にドンピシャのショック長じゃん!と思えたので、ワクワクしながらその場を後にしました。Z用のリアショックと言えば、すでに様々なメーカーから発売されており、STDルックのリプロ系からピギーバック式リザーバタンク付きのレーシングタイプまで、まさに選び放題の状況です。しかし、僕の嗜好としては、できるだけノーマルルックを維持しつつ、ストリートに特化したアップグレード仕様なので、デイトナのアジャスタブルリアショックはド・ストライクゾーンなのです。さりげないカスタム感がツウを気取れるってのも良いですね(笑)

総アルミ削出しボディ+ブラックスプリングの組み合わせは、派手さを抑えつつSTDとは明らかに異なるルックスで、所有満足度をくすぐります。ノーマルのカラーリング車はもちろん、カズ兄のZ2みたいなスペシャルカラーリング車にも違和感なく溶け込むと思われます。

装着して納得の細やかな気遣い

当初は、自宅のバイク部屋で装着するつもりでしたが、整備のプロならどんな風に装着してくれるのか?にも興味が湧いてきて、そもそもカズ兄のZ2を制作、以後のメンテナンスもお任せしている絶版車専門のウエマツさんに依頼しました。ただし、作業時間の短縮=費用の節約になると考え、アジャスタブルリアショックを装着するにあたり加工や変更が必要な部分については、あらかじめ対処してから車両を持ち込みました。作業を担当いただいたのは、ウエマツ・マスターメカニックプラスの称号を持つウエマツ東京本社のスーパーメカニック、越光工場長。特別に作業を見学させていただきましたが、「たまたま長さの合う汎用品ではなく、キチンとZ用に開発されているのが分かる」とのこと。特に、グラブバーとの接触をかわすデザインに感心されていました。デイトナのこだわり部分でもありますね。

アジャスタブルリアショックの装着条件として、(1)ドライブチェーンサイズを630→530化。(2)ノーマルチェーンケースの使用不可、となっています。カズ兄のZ2では、(1)630→520コンバートしてあるのでOK(2)ノーマルチェーンケースをカットオフして逃げ加工を作る。これで装着条件をクリアしました。ただし、(2)については、カットオフデザインとなっているカスタムパーツに交換した方が良いと思います。

ウエマツのスーパーメカニック越光工場長が感心していたアッパーマウントのデザイン。グラブバーと接触しないような形状となっています。同じデイトナ製品でも、SR用やGB350用を装着できないのは、この接触問題があるからです。その他、単にショック長が同じだけの汎用品では、接触するものもあるそうで、どうしてもそれを着けなければならない場合、メカニックの技量とアイデアがモノを言うとも…。

ライダーに優しい!?走破性

カズ兄のZ2はシャシーが1978年型Z750Fourベースですから、推奨スプリングセット長は186mmになります。しかし、僕の体重が75kgということで、越光工場長はプリロードが+2mmとなる184mmにセッティングしてくれました。いざ乗り出してみると、すぐさまSTD(リプロ)との明確な違いに気づきました。ギャップ越えの際、STDはガツッガツッと素早く突き上げてくるのですが、アジャスタブルリアショックはポムッポムッと押し上げてくる間隔。おかげで、荒れ気味の路面でも腰やお尻が痛くならず、乗車姿勢も安定。ウエマツ東京本社から修善寺までは130km以上ありますが、その間の乗り心地もいたって快適で、途中で雨に降られたのですが接地感が薄れず安心して帰路を走り切りました。その後も、伊豆半島内をグルグルと走り回っていますが、カーブ区間では向き変えの初期(1次旋回)からしっかりと踏ん張り感が利いていて、アクセルの開け閉めが連続するワインディング路でも高い安心感があります。富士スピードウェイのレーシングコース(本コース)を連続周回すれば、物足りなさを感じるのかもしれませんが、ストリートではツーリングシーンでも十二分に満足のいく快適性を得られると思います。

「個体差もあるから確実に使える技とは言えないけれど…」と前置きされつつ、越光工場長に教えていただいた性能の見極めワンポイント。走り出す前にバンプラバーをショックシリンダーまで上げておくと、走った後にストローク量を確認できるという技です。カズ兄のZ2に装着したアジャスタブルリアショックでは、底部までの余裕を十分に残しつつストロークしていることを確認できました。

ウエマツ東京本社からの帰路は、雨模様となってしまいましたが、タイヤも含めたリアサスペンションの性能確認にはむしろ好都合。高速道路特有の継ぎ目やギャップを軽やかに「いなし」、唐突に大きく滑り出すこともなかったです。これは、リアショックのダンパーがしっかり機能している証とも言え、ウェットコンディションでも安心して走れました。

伊豆の海岸線は、荒れた路面が多めです。装着後は、暇を見つけて何度も走っていますが、装着当初から変わらず、腰やお尻が痛くなることなく楽しめています。ちなみに、このアジャスタブルリアショックは、デイトナにてオーバーホールが可能。末永く乗り心地の良さを楽しめそうです。

走行シーンの動画はこちらからご覧ください。 ↓

なお、取り付けにご協力いただいた「ウエマツ」さんの動画チャンネル『UEMATSU Channel』には、その時の様子が公開されています。こちらもぜひご覧ください。

 

<取り付けた商品>

◆アジャスタブルリアショック シルバーボディ/ブラックスプリング

商品番号:37047

デイトナ公式サイトで詳細を見る↓

https://www.daytona.co.jp/products/single-37047-parts

ライターProfile

KAZU中西

モーターサイクルジャーナリストとしての活動を始め、イベントのMCやラジオDJなどマルチに活躍中!

伊伝株式会社の広報担当であるとともに伊豆スカ事故ゼロ小隊の中隊長、静岡県二輪車安全運転推進クラブ伊豆地区会長など、積極的に交通安全推進活動を行っている。

※文中に記載の品番/価格は、記事作成時のものです。