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【カズ中西のもりまち安全運転研究所】2  撮って撮られてまた撮って!? ドライブレコーダー活用術

走行時の客観的な動画が撮れるドライブレコーダー。万が一の際に自身を助けることになるツールの一つですが、同行する仲間に装着車両がいれば、お互いの走り方チェックにも役立ちます。そんな観点からも装着推進したいドライブレコーダーの話。

1. ブレにくい場所にカメラレンズをつける

 

思い起こせば、僕がドライブレコーダーに初めて関わったのは、2006年頃でした。その後、某社のバイク用ドライブレコーダーの開発顧問に就任。様々なシチュエーションでテストを繰り返しました。当時のウェアラブルカメラとドライブレコーダーの違いは、記録動画に改ざん不能なGPS情報を埋め込めるか否か。証拠動画として活用する際、時間と場所の情報が重要でした。なので、高性能レンズを使うことはモチロン、撮った映像を大容量かつ高速度で記録動画化するソフトウエアや耐衝撃性の高いボディが必須で、GPSアンテナをどう埋め込むかも重要でした。そんな開発シーンの中で意外に難儀したのは、カメラレンズの装着位置。証拠保存目的を優先するならば、画角に車体の一部が映り込むよう取り付けるのですが、車種によってはハンドルバーやテールカウルに装着せざるを得ないことが判り、なおかつ走行時の振動やエンジンから発生されるパルス等から記録動画がブレてしまい、使い物にならないということもありました。

 

フロントカメラをハンドルバーマウントとする際、車体中心線からどれだけの距離が良いのか、マウント方法やステーの形状は?等々、とにかく色んなことを試しました。結果として、ステーの頑丈さと小ささ、車体の共振点からズラした位置が良いと判りました。このほど装着したM760Dにも、その経験を活かしています。

本体は別体型の前後2カメラ式ドライブレコーダーM760D。本体のコンパクトサイズに驚きました。同梱されているテープ類で装着することは可能ですが、カメラレンズはブレにくい場所につけたいので、別売品のステー類も使います。

フロントカメラは、バックミラーマウントとしました。そもそもバックミラーは、走行振動で見えづらくなりにくい場所に設定されているはずなので、経験則からここを選びました。

リアカメラは、ナンバープレートブラケットと共締め。もっと振動の少ない場所はありますが、キャンプ道具など荷物を満載の時でも影響なく撮れる位置はここしかなかった。ステーの短さが防振対策になります。

M760Dの取説に、操作しやすい位置とありましたので、バイクの左スイッチボックスに最も近く取り付けられるステーを選びました。

2. 記録メディアを出しやすい場所に本体を設置

 

ドラレコ機能の中枢部であり、記録メディアを内装している本体。M76Dの場合、本体サイズが小さく、GPSアンテナは内蔵していない(スイッチ部に内装)ので、装着位置の自由度は高いと思います。しかし、車体の奥深くに設置してしまうと、メディアが出しにくくなってしまいます。また、Gセンサーを内装しているため、本体上面を上方となるよう装着しなければ、正しいXYZ軸の検知ができません。シート下スペースの少ないVMAX1700では、装着位置探しにかなり難儀しました。

XYZ軸の設定を無視(OFF)すれば、装着位置の自由度は一気に高まります。よって、バイクのキー操作で簡単に開閉できるサイドカバーの内側へ設置しました。実は、この位置に決めるまで、電源をどこから引っ張るか等々の悩みどころもありました。しかしながらスマートな装着を目論んでいたので、仮留めしては外し、また別の場所へと仮留めの繰り返し。試行錯誤に24時間を要しました。

3.ライディングフォームよりも走行ライン

 

ドラレコを装着すれば、走行時の客観的な動画が撮れます。これについては、特に説明するまでもないと思いますが、ツーリングなどで同行する仲間もドラレコを装着していれば、お互いを撮りあうことも可能です。しかも、ウェアラブルカメラではなくドラレコだから、時間や場所も特定できることから、お互いの乗り方研究に活かせます。

自分自身の走行シーンを、自ら撮ることは物理的に不可能。その時の乗り方が安全であるか否かも、自身のイメージでしかないです。同行する仲間がドラレコを装着していることで、ライディングフォームや走行している位置がどうなっているのかを客観的に知ることが可能です。ここでは、同じくM760Dを装着している仲間に撮ってもらいました。

道交法では、キープレフトが原則。しかし、これが一般論では飛躍しすぎているようで、道路の左端を走らねばならないとか、左端は砂やゴミがあって走るべきではないと論じられたりしています。法解釈としては、道路のおおむね左側を走行すれば良いので、何が何でも左端キープしなくて良いと思います。ポイントは、センターラインから離れること&対向車との距離を十分にとることです。ライディングフォームとしては、突発的な状況変化に対応しやすいリーンウィズが良いと思います。

右カーブでは、センターラインに寄り気味ならまだいい方で、タイヤこそ出ていませんが車体や身体が対向車線にはみ出しているライダーをよく見かけます。危険極まりない行為です。対向車との安全な距離を保つべく、右カーブでもおおむね左側を走るのが公道での鉄則だと思いますが、左端を走らねばならないと誤認している人ほど難しいと言います。ポイントは、おおむね左側を走れる速度で、そのカーブに対して速すぎると安全なラインをキープできずセンターラインに寄っていきます。左端の砂やゴミへの恐怖心もあると思いますが、制限速度を越えなければおおむね左側ラインは十分にキープできるはずです。ライディングフォームについては、左カーブと同様にリーンウィズが良いと思います。

愛車のV-MAXに実際取り付けてみた動画もあります。

ライターProfile

カズ中西

モーターサイクルジャーナリストを始め、イベントのMCやラジオDJなどマルチに活躍!

伊伝株式会社の広報担当であるとともに伊豆スカ事故ゼロ小隊の中隊長、静岡県二輪車安全運転推進クラブ伊豆地区会長など、積極的に交通安全推進活動を行っている。

※文中に記載の品番/価格は、記事作成時のものです。

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